Apr 19, 2010 17:18
「誕生日には戻れない」という相棒の電話を切り、台所を振り向くとパーティ用の食材が山積みだ。肉や魚を
冷凍庫へ戻し、下拵えが済んだものは冷蔵庫へ。つい溜息が出る。働く私の足元に犬達が纏わりつくのを
軽く追い払いながら「これが今生の別れと言うわけじゃない」と声に出して言った途端、涙が込み上げてきた。
突然降って沸いたような不安を打ち消すようにデタラメの歌を歌うと、犬達は一緒に跳ねた。大丈夫、彼は
無事戻ってくる。そうだな、今の歌を完成させてパーティで披露しよう。そして誕生日と無事帰還を祝おう。
…隠居生活、留守番米国人編。hangeさんのコメントで「待ってる側」はどうなんだろうと思って
ちょっと書いてみました。やっぱり誕生日パーティの支度はしていたんですね。二人きりじゃなくて
隠居,
s/v au
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Comments 3
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この人達は隠居生活に至るまでにいろいろあったみたいで
他のカップルのように早くからラブラブ生活ではなかったから
余計に今の暮しが大事なのかも。双方がかなり譲歩しあっているのも
愛ゆえでしょうか。
米国人はパーティというと無駄に力が入りそうですよね。
歌は、ピアノ弾き語りで(笑)皆ねてしまう。
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やっぱりラブラブな二人はいいですね。特にご隠居はつきあいも長いせいか、本当に絆が深いかんじv
「当たり前のはずのものがない」って、結構ショックですよね。欠けてわかる大切さ。特にある程度の年齢になると、どきっとしそう……なんていうことを想像したりもしつつ。でも、やっぱり「いつまでも幸せに暮らしました」がいいなあ。
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誕生日シリーズ、毎年4月は書けるんだけど10月はスルーしがちで
(物理的に忙しいのでした)4月の場合はネタ思いついても
去年とかぶってたりして、でも書いて楽しかったです!
今度は10月もぜひ書きたい…
隠居の人達はアイダホの農場暮しだから、隣近所も1km先とか
2km先で、普段はホントに二人きりで動物たちと暮らしているわけです。
隠居に当たって初めて同居できた人達なので、その分濃密。
このおじさん達はいつまでも幸せに暮らすと思います。いいよね~
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