#1 ジェリコ街の女
記念すべきドラマ第一話。
冒頭 ”Gloria”をBGMに赤いジャガーでさっそうとガサ入れ捜査するモースがかっこいい!
しかし自動車修理工場に「車をなおせ」とやって来たのに、逃走しようとする容疑者に愛車をドカンとやられて情けない表情になるのが可愛いです。(こう書いてみるとレイ・ベッキオみたい)
モースのライバル・ベル警部のサージェントだったルイスは初登場から控え目な存在感。
管轄外の事件(しかも自分が恋してた女性の家。自分が第一容疑者になるに決まってる)現場に、勝手にどかどか入ってくるモースを止めようとするルイスの姿は、暗い場面でほぼシルエットしか見えません。そこが印象的な画面づくりとなってます。
矢継ぎ早なモース主任警部の質問にほとんどまともに答えられないルイス巡査部長ですが、ちょっとした点で刑事の勘の冴えを見せてます。
たぶんモースの印象にも残っていて、その後ルイスがお気に入りになる潜在意識のきっかけとなったのでは。
ごくさりげない初対面でしたが、この約12分後の二人の再会場面に爆笑が待っていたとは…。自分の中のドラマ版モース名シーンナンバーワンといってもいいかもです。
ほっぺ拭き拭き場面は何度見ても面白すぎ。
モースに尋問してるつもりのルイスに
「一緒に私の部屋へきたまえ、酒をのみながらじっくり話そう」ってあなた(笑)
奥さんが待ってるから家に帰ります、というルイスの願いを置き去りに、勝手に推理の妄想に突入してゆくモース。しかも酒屋に寄ってルイスに払わせることになってるし。
終盤でモースに謎解きのひらめきを与える”ルイスの誕生日”
朝から酒臭い部屋でぐだぐだしてるモースを訪ねてきたルイス”朝食食べる派”の声が朝からでかい。しかも超ハキハキ(北部なまりで)。小学校の先生みたいです。何度みてもルイスの声がでかすぎるのに笑ってしまいます。
「誕生日のお祝いだ」とモースが飲みに誘ってるのに、カウンターでおつりを受け取ってポケットにしまってるのはルイス。不思議そうな表情してますが、ルイスここでもやっぱり払わされたのか?^^;
モースのルイスに対する人非人度が第一作からこんなに発揮されていたとは以前見たときは気付きませんでした。
しかしルイスも最初からしっかりやりかえしてました。最後の”赤ジャガー”場面で。
今回見てやっと気が付きましたが、この真犯人逮捕場面はモース初登場とリンクしてたのですね。
原作のThe Dead of Jericoは4作目で、その通りを映像化するのは無理な内容でした。
原作モースのキャラクターも二転三転する妄想謎解きも面白かったですが、なにより最後の1ページに、思いもかけなかった胸にしみる悲しさがあるのが忘れられなくて素晴らしいんです。
ドラマではそのへんは描かれてませんでしたが、ドラマで描くと安っぽくなっちゃうからあえて切ったのかも。
原作のこのしんみり感は、ドラマのエンディングテーマとぴったりだと思います。